日刊鶴のひとこえ

812声 谷中のメンチ

【更新日】2010年3月22日(月)

バスを降りて、歩いた方が早いのではなかろうか。
と考えに至るほど、進む道が大混雑している。
今日は、お彼岸。
各地から墓参りに来た、人波であろう。
席横のボタンを押して、目的停留所の二つ前から、
歩いて行く事にした。
道行く、夫婦あるいは家族連れが目指すのは、墓地。
つまりは、谷中霊園を目指して、この下町の路地を歩いて行く。

ここ東京の下町、谷中。
と言えど、来る度に町の様相が変化している。
繁華な通りである、「谷中ぎんざ」、「よみせ通り」など、
来る度に店が変わっているのだ。
老舗は変わっていないのだが、雑貨店やスイーツショップなど、
若者に人気の流行りの店。
そう言った類の、新興店の変遷が激しい。
その商売が繁盛して、他へ移転したか、
立ち行かなくなって暖簾を下ろしたのか、
他所者の私には、知る由も無い。

行列を作っている店先から、メンチカツを揚げる、良い匂い。
快晴の空の下で、生ビール片手に、皆、美味そうに頬張っている。
今日ばかりは、眠っている先輩方も、墓の下から這い出して来て、
ビールとメンチで一杯やりたいだろう。

花持って春のうららの墓地歩く



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